山崎元「経済評論家の父から息子への手紙」

山崎元「経済評論家の父から息子への手紙」Gakkenを読みました。

山崎さんはほったらかし投資などで有名になった
経済評論家です。
投資に限らず、幅広い事柄に歯に衣きせないコラムでも
ファンが多かった人です。

藤四郎もファンの一人でした。
毎週更新されるダイヤモンドオンラインのコラムは
欠かさず読んでいました。

酒が好き、将棋が好きというのも藤四郎と同じで
一方的ではありますが親近感を感じていました。

その山崎さんは食道がんで闘病されていたところ
先月1日、65歳の若さで逝去されました。

食道がんを患ってからも、
「がん保険は必要ない。保険会社儲けさせるだけ」
とコラムに書いていた人でした。

その山崎さんが息子さん(大学生)に宛てて書いた
手紙をベースにそれを敷衍したのが、本書です。

死を意識していたであろう時期に、親として、
また職業人として伝えたかったことを書いた本と
いえるでしょう。

投資法ではなく、まず、現実の経済に対する鋭い考察
から始まります。
「経済の世界は、リスクをとってもいいと思う人が、
リスクを取りたくない人から、利益を吸い上げるように
できている」
と。

労働者にしても「労働者タイプA」と「労働者タイプB」
がいる。
「タイプA」はリスクを嫌う取り換え可能な人材、「タイプB」は…
タイプAになることは全力で回避せよ。

目から鱗で、藤四郎が大学生の時に読みたかったと
思いました。

もちろん、ほったらかし投資の考え方もしっかり出てきます。

また、実際の息子さんへの手紙も末尾に掲載されています。
息子さんへの信頼と慈しみにあふれていて感動ものです。

これからは何でも自分の好きなようにやってくれていい。
といいつつ
「仮に、やったことが違法でも、その意図が理解可能であれば、
私は息子の見方だ」
というくだりには涙がでました。

山崎氏の考える幸せ、氏のモットーなども書かれていて
経済書ではお目にかかれない氏の人柄をも偲ばせる
お勧めの本です。

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