「世界の力関係がわかる本」

千々和泰明「世界の力関係がわかる本」ちくまプリマー新書を読みました。
恥ずかしながら、第1次世界大戦の開戦時の状況がこの本を
読んで、はじめて腑に落ちました。
オーストリアの皇嗣がセルビアで暗殺された。
それを受けてなぜドイツがフランスに宣戦するのか?
その直後、イギリスがドイツに宣戦しています。
なぜこのような当事国でないところで動きが急なのか?
皆が怖がっていたという「脆弱性による戦争だったことが
明快に説明されます。
それに対して第2次世界大戦は「機会主義的戦争」
侵略者に対して融和路線はとってはいけないということが
示されます。
中高生向けの本ですが、大人も読むべき良書です。
戦争の終結は二通りというのも考えさせられました。
プーチン大統領は紛争原因の根本的解決が必要と言っていますが
この本では紛争原因の根本解決とは、相手を完膚なきまでに
叩き潰すということであり、なるほどプーチン氏の主張している
のはこういうことか、とこれも腑に落ちました。
ロシアにウクライナ侵攻を決意させたのは歴史に学ばなかった
我々のせいかもしれないなんていうことを考えました。
*ロシアがクリミアを占領したとき強烈に
ロシアを止めなかったので、ロシアがウクライナ侵攻を決意したのでは。
これはドイツのチェコスロバキア併合を認めてしまった
ミュンヘン会議がナチのポーランド侵攻を招いたという教訓を
学んでいない。