映画「オッペンハイマー」

遅ればせながら、「オッペンハイマー」を見ました。
原爆開発の「マンハッタン計画」のリーダーで「原爆の父」と
いわれたオッペンハイマーの伝記映画です。

今年のアカデミー賞で作品賞、監督賞など主要7部門の
受賞を果たした映画です。

R15+という指定になっていましたので、
原爆による被爆者の生々しい描写シーンのためなのかな?
と思っていたら、そうではなくて愛人ジーンとの
ベッドシーンのためでした。

そういえば、NHKのニュースでこの映画が取り上げられた時、
「広島、長崎の惨状が具体的に示されていない」という批判が
あるということが報じられていました。

藤四郎としては、特にバランスを欠いているような印象は
ありませんでした。
オッペンハイマーが水爆開発に反対したのは
原爆の惨状を悔いてというより
強力な兵器の果てしない開発競争をどこかで止めるべき
というような視点だったと映画は描いているように思いました。

オッペンハイマーという人の様々な面が描かれています。
 超有能な科学開発プロジェクトのリーダー
 女好きの妻泣かせ
 赤狩りの被害者

見どころはトルーマン大統領との会見の場面でしょう。
オッペンハイマーが「私の手は血塗られているように感じます」
と言ったのに対して、トルーマンは…

単純ではないので、難しい場面もあります。
オッペンハイマーに対する秘密聴聞会は最後になって
真相が明らかになりますが、途中、何が争点になっているのか
非常にわかりにくかったです。
具体的な行為が問題というより、当時は赤狩りの時代で
共産党とつながりがあれば公職追放という無茶苦茶な時代
だったということです。
この点は、見る前に知っておいた方がいいかもしれません。

若いオッペンハイマーをプロジェクトリーダーに据え、
ともに原爆開発に邁進する米軍のグローヴス准将
(マット・デイモン)がいい味を出してました。

アインシュタイン、ハイゼンベルグ、フェルミ、ボーアといった
名だたる科学者が登場するのもサイエンス好きには面白かったです。

アカデミー賞で話題の作品です。
見ておいて損はありません。

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