ウィリアム・アイリッシュ「幻の女」

ウィリアム・アイリッシュ 黒原敏行訳「幻の女(新訳版)」
ハヤカワ・ミステリ文庫を読みました。

戦前、1942年に刊行された推理小説です。
アイリッシュはアガサ・クリスティーとほぼ同年代に活躍した人。

妻と喧嘩したスコットは一人街に出て、バーで出会った
派手な帽子の女と食事をしてショーを観ました。
帰宅してみると、妻が殺されていた。
帽子の女が一緒にいたと証言してくれればアリバイ成立ですが、
その晩、女を見たはずのバーテンもレストランのウェイターも
誰も彼もが、そんな女は見ていいないというのです。

携帯も防犯カメラもDNA鑑定もない時代の推理小説です。
少し情報が不自由な方が推理小説の舞台としては
おもしろいような気がします。

古典も読んでみようと手に取りました。

新訳ですが、書き出しの名訳
夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった。
は稲葉昭雄氏の訳をそのまま使っているとのことでした。

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