川上未映子「黄色い家」①

川上未映子「黄色い家」中央公論社を読みました。

本の帯には、「人はなぜ、金に狂い、…」と
ありますが、この文句は若干誤解をもたらすと思います。

主人公は「花」メインで描かれる時期は
17歳から20歳の時期です。
彼女は金に狂っていたわけではありません。

彼女は、底辺の暮らしをしていました。
自分の居場所もないような…
そこに現れたのが黄美子さん。
高校2年生の夏です。

二人でスナックを始めます。
友人も加わり、順調だったのですが…

花は自分の居場所を確保するために
お金が必要だったのです。

そのために、犯罪に走ってしまいます。
金そのものがが目的ではなく、自分たちの居場所を
確保するための手段としてお金が必要だったのです。

現在花は40歳。
メインに描かれているのは1997年~2000年の
ころです。

著者の「すべて真夜中の恋人たち」も読んだことが
あります。
不器用な主人公の恋愛ストーリーです。

生きるのに不器用という点では花も同様ですが、
作風がガラッと変わりました。
お勧めです。

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