トランプ関税は米国経済にマイナス?

トランプ関税は米国経済にGDPベースでマイナスになるとの
試算がいくつか発表されているようです。
また、トランプ大統領は関税が相手国が払うと勘違いしているとの
批判も散見されます。

このうち後者については、「実質的な」負担はケースバイケース
というのが本当のところでしょう。
関税を支払うのは米国の輸入企業であるとしても、売れ行きが
低下するのを懸念して、輸出国の企業が値下げをする場合も
多いと思います。
米国の輸入企業は値引きを要請するでしょう。

ケースバイケースだけれども、値引きなしで関税分値上げされ、
不足分は国内で製造がされるとして、
アメリカのGDP全体を考えてみましょう。
輸入減少 ⇓
関税収入増加 ⇑
国内製品製造増加 ⇑

ここで関税増加分を物価対策に回すとすると、値上げ分が相殺されて
需要はほぼ変わらない水準となり、
GDPは輸入減少分と関税収入増加分の合計は±ゼロに近いでしょう。
結果、国内で製品製造が増えた分がGDPにプラスの影響となるように思えます。

トランプ大統領は関税を減税の財源とするでしょうから
広く国民に痛みを分散して、大金持ちが得をするという
ことになるのでしょうが、米国のような大国は多くの製品で
国内代替が可能で、それならば必ずしも関税はGDPの縮小を
もたらさないように思えます。

多少GDPが増えても、自由貿易を推進してきた米国の
裏切りとして失う信用は計り知れないでしょうが・・・

2025.3.10 追記
上記で「多くの製品で国内代替が可能」と書きましたが、
農産物などはすぐには増産できないし、重化学などの装置産業は
遊休設備がすぐに稼働できる状態でないと無理など、
短期的にはほとんど国内代替ができないのかもしれません。

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