柚木麻子「BUTTER」

柚木麻子「BUTTER」を読みました。
英国の「ブリティッシュ・ブック・アワード」(デビュー・フィクション部門)などを
受賞しているというのが読書のきっかけでした。
(柚月裕子さん(「盤上の向日葵」などの作者)と勘違いしたというのも動機の一つ。
よく見ると、苗字も違います。
平仮名だと「ゆずき」と「ゆづき」)
英国の人はどんな作品をおもしろいと思うんでしょう?
3人の男の不審死に関して逮捕、投獄された梶井真奈子
その独占インタビューをものにしようとする週刊誌記者町田里佳
その友人で妊活中の狭山怜子
この3人を中心に物語は展開します。
梶井真奈子のモデルは16年ほど前に逮捕された首都圏連続不審死事件の
犯人です。死刑が確定しています。
お料理・グルメ小説の一面があります。
バター醤油ご飯
ウエストのクリスマスケーキ
王道フレンチのジョエル・ロブション
神楽坂の鉄板焼
焼き菓子のカトルカール
クリスマス料理の七面鳥
でもこれが英国の人に受けたのではなくて、
ルッキズムや周囲のかくあるべしというような過剰な期待、
いわゆる「オンナの生きづらさ」を綴った点が
共感を呼んだのではないかと思います。
太っていても梶井真奈子は気にしません。
それでは町田里佳はどうするか?
これが英国で受けるということは、英国の女性も
疲れているのではないかと想像しました。
一読の価値ありです。