「死んだ山田と教室」

金子玲介「死んだ山田と教室」を読みました。

この本を読むきっかけになったのは、日経新聞に掲載された
大矢博子氏の書評です。
「声で紡ぐ 青春の明と暗」と題して「青春を体験した
すべての人に贈りたい一冊だ」とされていました。
そのとおりだと思います。

舞台となるのは進学校の男子校。
2年E組の人気者、山田が夏休みの終わりに交通事故で死んでしまった。
通夜直後の新学期開始の日、クラスの皆は落ち込んでいる。
そこにいきなり教室のスピーカーから山田の声が・・・

山田は視界はなく、手足の感覚もなく、ただ皆の声が聞こえて、
自分も話すことができるのだという。

普通だったら、大騒ぎになるだろうが、それで山田が消えたり
したらいやなので、クラス全員と担任の秘密とすることになる。

そこを出発点として、山田とクラスメートとのそれぞれの
接点、山田の中学時代の一面、交通事故の真相などが明らかに
なっていきます。

男子高校生あるあるのユーモラスな描写を面白く読みながら、
友情について、そして生と死についても考えさせられました。
買った日に一気に読み終えました。
お勧めです。

ちなみに今年のメフィスト賞受賞作です。
昨年は「ゴリラ裁判の日」が受賞。
10年前の受賞作には「○○○○○○○○殺人事件」なんてのもありました。
本文を読んで犯人と表題の「○○○○○○○○」に入る言葉を推理せよという
ものでした。

毎年、ユニークな作品が選ばれる賞です。

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