「ザイム真理教」②

もうすぐ日本の国家予算が決まりますが、
当初黒字と言われていた2025年度の基礎的財政収支は
補正予算の影響などで、赤字になるようです。
このような国の財政上の赤字をどうみるか、
最近は森永さんをはじめ学者の人でもあまり問題視しない人が増えています。
その理論がMMT(現代貨幣理論)です。
さらに森永さんはMMTばかりでなく、日銀が国債を買ったとたん
政府の借金が消えるというような過激なこともこの本で言っています。
日銀引き受けで借金がなくなるなら、
もっと国債を発行して日銀に引き受けてもらい、
税金をとらない「無税国家」も実現してしまいます。
さすがに「無税国家」は無理でしょう。
MMT自体も財政支出を膨らませることができるのは
インフレが許容水準内であるという条件を付しています。
もし、国債に100%頼り、税金を取らないと決めれば
金利が高騰し、円という通貨の信任も崩壊して暴落するでしょう。
それでは、国債に頼るのが何%までならOKなのか?
国債の発行残高がGDPの額を超えるほどでもOKなのか?
このあたり定量的にここまでという明確なラインは
示せないでしょう。
例えば、国債発行が今の水準でも、首都直下地震がきたとき、
もう巨額の国債発行は無理と市場関係者が判断するときもあるでしょう。
今は、国債に意識が向いていないけれども何かの拍子に
「こんなに国債を発行していてやばいんじゃない?」
と皆が意識したとたん、金利が急騰するのです。
このような想定が現実とならないことを祈りますけれど・・・