「自由貿易はなぜ必要なのか」

椋寛(むくのきひろし)「自由貿易はなぜ必要なのか」有斐閣を読みました。
トランプ関税は自由貿易と真逆の保護主義です。
それがなぜ望ましくないのか、自分なりに再整理しておこう
と考えて読んでみることにしました。

この本は第一期トランプ政権の保護主義的な動きを受けて
2020年に出版されました。

「貿易は全体の利益を増やす効果があり、その利益を分け合うことにより
誰もが勝者になりうる」という経済学的な知見が書かれています。
「貿易は各国に利益をもたらす」のですが、
一方、「貿易は国内で争いを起こす」ことも述べられます。

トータルで貿易がプラスになっても、国内では勝者と敗者を
生んでしまうのです。

また、トランプ大統領がいうように、貿易黒字国は
アメリカから富をむしり取ったわけではありません。
貿易という交換はお互いが利益になると考えた場合にのみ
起こるものだからです。

幅広く、自由貿易の弊害についても述べられ、とても参考になります。
10年ほど前の日本のバター不足についても詳しく述べられており、
日本の貿易政策もこれでいいのかと考えさせられました。

トランプ関税が吹き荒れる中、今が旬のおすすめの一冊です。

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