小手先で手取りを増やしても…
自民党と国民民主党が政策協議に入ったそうです。
焦点は
「103万円の壁」とガソリン減税
どちらもあまり筋がよくないというのが藤四郎の感想です。
<103万円の壁>
所得税の基礎控除を引き上げて103万円の壁を178万円まで
引き上げるというのが国民民主党の主張です。
要は所得税の減税です。
一番の問題点は税収が減るということ。
国、地方合わせて7〜8兆円だそうです。
そもそも日本はベースととしての税収が足りていない
中で、さらに減税していいんでしょうか?
次に問題なのはその逆進性です。
基礎控除の一律の引き上げですので現行のままですと
一番恩恵を受けるのは税率の高い高所得者です。
所得税は5%〜45%の累進税率ですから。
あまり論点としては出てきませんが、103万円が引き上げられば
働き方を変えようとするのは専業主婦でしょう。
103万円の壁を意識して、それ以下に仕事を抑えていた人たちが
今度は178万円を天井にするのでしょう。
言葉をかえれば、103万円の壁の上限引き上げは
専業主婦優遇の拡大でもあります。
専業主婦を特別に優遇する制度は時代遅れです。
基礎控除を引き上げると、それに連動して社会保険に加入する
最低金額も引きあがるのが普通だと思います。
そうすると現行の社会保険加入者で加入しなくなる人が
でてきます。
無保険者を増やしてしまうのも時代に逆行します。
<ガソリン減税>
ガソリン減税は、恩恵を受けるのは企業、家計を含めた
最終需要者です。
家計支援という目的ならば、苦しい世帯にだけ現金を給付すれば済みます。
また、ガソリンを安くすることによって、環境に負荷をかける
ガソリンの消費量を増やしてしまう、ガソリンの代替物への
転換がすすまないという側面もあります。
<国民民主党の政策>
政策パンフレットを見る限り、国民民主党の政策は
減税、社会保険料の減額、各種給付・無償化です。
財源に言及があるのは年5兆円の教育国債のみ。
歳出でこれをやめましょうというものはありません。
<今後に注目>
イギリスでは一昨年、トラス首相が大規模な減税を打ち出したとき
すごく批判されて、市場もポンド、債券、株のトリプル安で
反応しました。
自民がどこまで妥協するか?
その時、市場はどう反応するか?
今後に注目です。
*言葉が足りなかったので赤字部分加筆修正しました。